【検証】Favostixのカートリッジ構造【なぜ漏れない?なぜ美味しい?】
こんにちは、今日はいま大人気の新型POD、『Favostix』のカートリッジ構造について書きたいと思います。
PODの永遠の命題「漏れない」、「美味い」を両立させたカートリッジはいったいどのような構造になっているのでしょうか。
1.0Ωカートリッジ
今回は1.0Ωカートリッジを分解して構造を調べて行きたいと思います。コチラはMK-Lab Koi-Koi 青短 みっくすじゅ~すを8タンク(3ml×8=24ml)吸った物になります。
分解
- カートリッジ本体部
- O-リング(カートリッジとコイルの接続)
- コイル
- O-リング(コイルとシリコンキャップの接続)
- シリコン製キャップ
- 樹脂製キャップ
- 端子部カバー
- 端子×2
- リキッドチャージ穴のシリコンカバー
- 樹脂製カバー兼リキッドチャージ蓋
こうしてみるとかなりの部品点数です。リキッド漏れの原因となるカートリッジ本体と外側の繋がる部分には満遍なくO-リングやシリコンカバーが用いられています。写真では見えにくいですがコイルの下部にもシリコンカバーが施してあり、コイル内部からの漏れを阻止しています。(厳密にはエアーを通すための僅かな隙間アリ)
今回はコイルも非破壊で分解しようとしましたが、結局破壊してしまいました…
メッシュワイヤーを中心に5層のシート状コットンで巻かれたコイルです。これが美味さの秘訣でしょうか?
メッシュワイヤー及びコイルに最も近いコットンはガンクによる汚れが確認できますが、24mlも吸ってこの程度ならもう少し吸えそうな気もします。
メッシュワイヤー拡大です。つなぎ目(Y字の合流地点)の所に多くガンクが付いています。熱容量が大きく、昇温しきれない為にガンクが残ってしまっているのだと思います。
ワイヤーに近い側のコットンです。右のコットンはワイヤーと接していたもので、剥がす際にコイル側のガンクにコットンがへばりついてしまっていた為破れています。
この汚れ具合を「この程度」と言うか「こんなに」と言うかは各人バラバラだと思いますが、味自体はまだ完全に落ち切ってなかったのでまだ戦えたという事でしょう。
ワイヤーから遠い側のコットンです。めっちゃきれいです。
漏れない要因
過去に人気を博したCaliburn、Caliburn KOKOは味は良かったものの漏れが酷いという問題がありました。この漏れの原因は「カートリッジと底蓋の間からリキッドが漏れ出す」事でした。コイル中央部を伝って漏れてくるパターンもありましたが、間から漏れてくる事例の方が私は多かったです。
順番に組立てながらFavostixが漏れない要因を探っていきましょう。
まずはシリコン製キャップ(左)と樹脂製キャップ(右)です。シリコン側には二重のパッキンがあり、これによりリキッド漏れを防いでいます。初代CaliburnやZumwaltはここが一重だったので簡単に城壁を越えられていたという訳ですね。一方でXTALやXROSはFavostixと同じで二重の砦となっており簡単には漏れない構造となっていました。
次に端子部のシリコンカバーです。ここをしっかりとシールすることでコイルから伝ってくるリキッドを阻止しているのだと思います。クリアロなどは1つのシリコンカバーでシールをしていますがワイヤーとパッキンとの間に隙間が出来てそこから漏れてきます。コチラも1つですが2穴構造になっているのでワイヤーとの隙間をより小さく出来るのが要因ではないでしょうか。
キャップの素材が樹脂ではリキッドのノズルを入れるときに収まりが悪いですよね。という事でFacostixはこの部分を別部品のシリコン製にしています。しかもシールはしっかり二重で。今の所ここからの漏れは確認できていないのでBestな構造なんだと思います。ただし、ボトムフィルなのでリキッドをチャージする時に空気穴付近に残ったリキッドがポコポコと逆流して来るのは玉に瑕です。これをなんとか改善出来たらストレスフリーなんですけどね。
樹脂製カバーを装着するとキャップ部の完成です。カバーはXTAL由来というかほぼ同じ構造同じ形状をしています。樹脂製なので数回の使用ではへたる事も無く頑丈です。
これをカートリッジに接続して組立て完成です。片面に3つ(合計6つ)の留め具(突起)があるので人力や自然現象では外せない位強固に接続されます。
ご紹介遅れましたが一番右のシリコンカバーがコイルの下部に付いているものです。コイル内部を伝って漏れてくるリキッドの最初の砦がコイツです。武蔵坊弁慶ですね。何人(液)たりとも外に逃しません。
さいごに
分解してみて漏れない構造はなんとなくわかりましたがなんでこんなに美味しいのかは判りませんでした。メッシュワイヤーの構造やコットンの良し悪しがあるのかもしれませんが私にはまだそれを解説できるほどの力がありません。
結局言えるのは「漏れなくてウマイ、1カートリッジで30ml位は吸える」という事です。まだ買われていない方は是非お手に取ってこの感動を味わってみて下さい。
いつかは「あのFavostixを超えるPODが…」なんて言われるようになる名機だと思います。